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“全員初心者”から昨年は全国準優勝…! 学生王者を狙う「法政大ラクロス部に隠された強さの秘密」

法政大学体育会男子ラクロス部

ヘッドコーチ:

鈴木優也(すずき・ゆうや)

2010年法政大入学、ラクロス部に入部。現役時代は当時チーム最高となる関東ベスト4に貢献。卒業後、東北学院大ラクロス部で指導経験を積み、2021年から法政大ラクロス部で指導、昨年からヘッドコーチに就任。現役時代の成績を塗り替える、全国準優勝に導いた。

ひと目でわかる! チームの特色

  • 部員の100%がラクロス未経験からスタート
  • 1部昇格後、1年目で全国ファイナリスト
  • マーケティング部門は関東優勝

2023年の全国大会で準優勝という快挙を成し遂げた法政大学男子ラクロス部。2021年から同部コーチを務め、昨年からヘッドコーチに就任した鈴木優也さんに、“全員初心者”の部員への指導方針や他にはない部の魅力、雰囲気について伺いました。珍しいとも言える特徴とは…?

新入部員の100%がラクロス初心者。法大ラクロス部の育成メソッドとは。

ー法政大学のコーチ就任を決断したきっかけは何かありましたか?

私自身が法政大ラクロス部出身というのがまず第1にあります。卒業後は、東北学院大学でコーチをしていましたが、東京に戻ったタイミングで当時コーチをしていた先輩からお声がけをいただいて、2021年から関わらせていただいています。

 

ーヘッドコーチになった経緯を教えてください。

正式にヘッドコーチという立場になったのは、実は去年からです。2021年はBチームコーチ、2022年はAチームのオフェンスコーチでしたが、学生から依頼が来て就任させていただくことになりました。

ー部員との良好な関係性が伺えます。

チーム強化のためには、中長期でチームを見なければいけないと思い、コミュニケーションを意識して取るようにしていました。自分から言うのは少し恥ずかしいですが、そういうところもあってお願いしてくれたのだと思います。

ー指導の中で意識していることはありますか?

ヘッドコーチという立場ではありますが、ラクロス部というか大学ラクロス全般に言えるところは、 学生が自分たちでチーム作っていくことに重きを置いています。 ですから学生主体というところは崩さず、私から練習メニューを考えたり、試合に出る選手を決めたりすることは、ほぼやっていません。

練習方法で気になった点はアドバイスをしますが、学生が試合等で見つけた課題や修正点に対しては、各自の意見を尊重します。また、困っていそうだったら声をかけるので、あれこれ指示するわけではなく、学生がやりたいことをなるべくやらせてあげて、それが結果に繋がるようにサポートするということを意識しています。

学生主導のスポーツ、ピッチ内外を支える存在

ー法政大学男子ラクロス部と言えば、新入部員のほぼ100パーセントがラクロス未経験で入部するとお聞きしています。 新しく入ってきた部員たちに対してのラクロスの基礎技術なども、先輩が教える形が多いですか?

そうですね。部員は全員、初心者からのスタートです。そのために今は指導専門の学生コーチというのを置いています。
私が現役の時は学生コーチがいなかったので、 自分たちで練習してたまに先輩が教えに来てくれるという感じでしたが、今はずっと付きっきりで1年生チームに指導を行っています。

ー学生コーチについてもう少し具体的に教えてください。

チームとしては、時間をかけて指導できるという点が大きなメリットです。ただ、強いて言えば学生コーチ側の立場ですと、早くて2年生の冬ぐらいから学生コーチに舵を切るので、そもそもラクロス経験が1年半ぐらいしかないため、自身のラクロススキルや指導力には少し不安を感じているかなと思います。ですが、学生コーチも代々5年ぐらい続いてるので、上級生がサポートしながらうまく解消しながらやれているのかなと思います。

あとは、学生コーチが決まるまではどうしても時間がかかります。「お前がやれよ」ということでは決してなく、最後は立候補でやってくれるので、自分の選手としてのキャリアを捨てて学生コーチになるっていう覚悟が必要なんですね。ですから、決まるまでが少し大変かなとは思ってます。今学生コーチは二人いますが、次の世代を育てることを目標に注力してやってくれています。

選手としては「自分のキャリアを捨ててやってくれているから、自分たちはプレーで頑張らないといけないし、学生コーチのサポートもしなくてはならない、任せっきりにしない」と感謝しながらやれていると思ってます。

ー法政大学男子ラクロス部ならではの文化と言えますね。

そうですね。各大学どこもコーチはついてはいますが、平日に来てフルコミットしているコーチはそうそういません。専属で1年生を見てくれるというのは非常に大きいと思います。

 

過去は一切問わない、誰もが日本一を目指せる部活

ーどのような学生に入部してほしいですか?

0から始めるスポーツなので、 新しいことに挑戦したいという気持ちが強い人はぜひ入部してほしいです。また、壁にぶつかってもめげずに、自分で決めたことに挑戦する、決めたことを最後までやりきれる気持ちも持っているとなお嬉しいですね。ラクロス経験は重視していないので、入ってからどうやれるかというところが大事だと思っています。

ー1月にはやくも付属校生を対象とした体験練習が行われていました。

そうですね。うちはスポーツ推薦枠はないので興味を持ってもらうために新勧活動を始めています。付属校の学生は一般受験よりも早く進学が決まるので、この段階から体験会に来てもらえるというのは法政の強みかなと思っています。

付属校は法政国際と法政二高、法政高校の3校あり、これまでは法政二高出身が多かったのですが、ここ最近は法政高校や法政国際からも入部者が増えています。最初の入り口は広がったかなと思います。

ー付属校出身の部員の割合はどれくらいを占めますか?

今は付属校と一般入学で4:6の割合です。最初は付属校出身の学生で集まってしまうこともあります。それは課題ですが、やっていく中で「みんなで頑張ってやっていこうよ」となっているので、すぐに仲良くなります。

ー練習日について教えてください

火水金は三鷹大沢グラウンドで朝練、土日は多摩キャンパスで練習を行っています。
詳細はInstagramの新歓用アカウントで確認できます。

全国最高峰の技術がピッチ外にも!?

ー選手以外の役割も募集をしているとお聞きしました。

そうですね。うちは選手ではないスタッフが多いのも他の大学と違う特徴だと思っています。現在4年生まで含めて100人近くいる部員の中で、3割ぐらいがスタッフです。その中でも、マーケティングスタッフは他の大学にはないので、競技だけではなく運営に興味がある学生も来てくれると嬉しいです。

ー法政大学男子ラクロス部のマーケティングの部門はレベルが非常に高く、表彰されたこともお聞きしています。

そうですね。マーケティングができたのが4年前ぐらいなのでまだ新しい組織ですが、人数が年々増えてきています。そうなると、1人1人の部への貢献度や存在感が薄くなるという問題が出てきました。ですから近年は「どうすれば部に貢献できるか」という意識のもとみんなが動いています。みんな自分たちで考えて、「選手がプレーで頑張ってるから私たちも」と感じながらそれぞれの立場でやれることを最大限にやっています。

ーマーケティングの方々も最初はみなさん、普通にラクロスをやりたいと思って入ってきたのでしょうか。

マーケティングが設立された4年前は、元々マネージャーをやっていた子が配置転換でマーケティングを行ってくれていました。しかし、今年の新4年生の代からは元からマーケティング希望で入部してくれた子が全員です。なので、新4年生が4人と新3年生が1人、新2年生が2人の計7人は、当初からマーケティングに入りたいということで来てくれてます。

 

強さの秘密は、"体育会らしくない"日常に

ー法政大学男子ラクロス部は4月からまた新しく新体制として始まります。そこに向けて意気込みと新入生に向けて、一言ずつお願いします。

2024年シーズンは、学生日本一っていうところは変わらず掲げます。昨年は全国の決勝までいけたものの最後は勝ち切れなくて、準優勝で終わってしまったので、リベンジするべくあの舞台に戻りたいなと思っています。特にチーム力にフォーカスして、選手同士のコミュニケーションやラクロスのスキル以外の部分の繋がりを強化して、チームを作っていきます。

ラクロス部はグラウンド事情が厳しく、練習が朝7時からと大変な部分はありますが、新しいことに挑戦しながら一生の仲間を見つけて努力していくことは、かけがえのない価値ある時間になると思います。また、それだけ魅力の詰まった団体だと思うので、少しでも興味を持ったらぜひ1度グランドに来てもらって、雰囲気を感じてもらえればと思います。 

うちの部は、一般的な部活動や体育会とはまたちょっと違う空気感があるんですよ。

ー他の体育会系とは少し違う雰囲気とはどういったところですか?

一般的な体育会は上下関係が厳しいとか、練習がハードだとか、色々あると思います。うちも体育会の正式団体なので、それなりのルールは色々ありますが、上下の関係はそんなにありません。練習中は下級生から上級生に指摘する声が出たり、それに負けないように上級生がプレーで引っ張るという場面が見られます。

 

 

 

明るい雰囲気の中で、怒鳴ることや文句を言うこともなく「もっとやれるでしょ!!」と鼓舞するような"声"が飛び交うのは、うちならではの特徴だと思います。次に切り替えて「オッケーオッケー」「 ナイスチャレンジ」とか、前向きにやれる雰囲気です。

ー法政大学男子ラクロス部について教えていただきありがとうございました。
鈴木さん、貴重な話をありがとうございました。

 


写真提供・法政大学体育会男子ラクロス部


法政大学男子ラクロス部新歓Instagram:@hosei_lax_shinkan

 


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