menu

“現役時代の後悔”から、僕は指導者になりました…全国出場校の監督が語る「個が輝く柔道」

太成学院大学高等学校柔道部

監督:

和久弦矢(わく・げんや)さん

講道館柔道参段。B級指導者ライセンス所持。京都共栄学園、日本体育大学を経て、現職。大阪高等学校体育連盟柔道部競技役員。大東市・東大阪市の柔道教室でも指導中。

ひと目でわかる! チームの特色

  • 目標は、日本一!
  • 無理なく希望階級での出場を目指す
  • 個人戦に強み

部活動が盛んで、数々の名選手を輩出している太成学院大学高等学校。なかでも、今年度初の全国出場を決めた柔道部に注目。同部で指導されている和久弦矢監督に、柔道の魅力や部の強さのヒミツについて取材しました。

指導で最も難しく感じること

ーまずは、指導者になられた経緯から教えてください。

かつては自分も柔道をしていまして、大学で思い通りの結果を残せなかったことから、指導者の道を志したいと思いました。また、同じく柔道の指導者をしていた父親の意思を継ぎたいという思いもありました。そこから、柔道も学業も教えられる教員になったんです。

太成学院高等学校は、12年前から指導させてもらっています。なりたい仕事に就かせていただきましたが、指導することの難しさはまだまだ感じますね。やってほしいことを生徒たちに伝え、体現させるということがなかなかうまくいきません。僕自身が現役の頃は、言われたことを割とストレートに体で表現できていた人間でしたので、余計にそう思うのかもしれません。

とはいえ、近畿大会は2023年、2024年と2年連続出場できています。さらに今年度は、就任12年目にして初めて全国大会に出場できることになりました。3月の大会に向けて頑張っている最中です。

ー全国大会ご出場おめでとうございます! つまりは大阪府で勝ち抜かれたということですよね。

はい、大阪で一番を取らないと全国大会には出られません。柔道は7階級制なので、大阪府代表になれるのは、それぞれの階級でトップになった7人のみです。うちは、その中の一つの枠、66kg級で優勝することができました。次に目指すのは、日本一です。

日本一になるために行っている心がけ

ー日本一という目標を達成するために、どんなことを心がけていますか。

基本的なことですが、怪我をしない、体調を崩さない。それを毎日継続することが一番大事だと思います。そして、ご飯をしっかり食べること。食事はとても重要だと思っていて、僕が現役時代に勝てた理由も、そこにあると思っています。

ー柔道は減量することもありますが、調整方法はどのようにしているのでしょうか。

基礎となる時期はご飯をたくさん食べて、その時の体重に合った階級で出るというやり方をしています。もしくは長期スパンで調整する方法もあります。66kg級出場なら、高校3年間の中で67、68kgまで持っていき、試合の1か月前から減量を始めるというパターンですね。

ー勝てる階級に合わせるのではなく、選手の体格や体重を考慮されているのですね。

大幅な減量は無理な話ですので、考えるとしたら80kgの選手がいたら、81kg級か頑張って73kg級か、そのくらいのレンジになりますね。ただ、私が指示するわけではなく、生徒の自主性を尊重して、各個人が自分で決めています。「この階級でいきます」と報告を受けてから、エントリーという形を取っています。

技術だけでなく、精神面で学べるのは…

ー「柔道の父」と呼ばれる嘉納治五郎師範の名言「精力善用」にもあるように、柔道は精神的な成長も望めると言います。このことについてはどう思われますか。

柔道が精神に与える影響は大きいですよね。礼儀作法や相手を敬う気持ちなどを学ぶことができると思います。

大切にしているのは、「ありがとうございます」と「お願いします」をしっかりと言えること。それは単に言葉を発するのではなく、思いを込めることが大事です。

柔道はひとりでは決してできません。相手がいるからこそ始められる競技です。相手がいて当たり前なのではなく、相手と、相手がいるということに対して感謝をするために、これらの言葉を言うわけなんですね。

例えば、自由稽古は相手をランダムに選んで練習するので、毎回「 ◯◯さん、お願いします!」と声をかけてから、スタートします。そして必ず「ありがとうございました」で終わります。それらを言う意図を各自がしっかり把握したうえで、徹底するように指導しています。

ー他に、太成学院大学高等学校柔道部ならではと言える特徴を教えてください。

個人戦に強いチームです。柔道は、団体戦と個人戦に分けられます。どちらがメインかと言うと、高校の柔道では団体戦になります。うちは、まだ団体戦では力を発揮できていませんが、個人戦では結果を残していると思っています。特に、軽量級が強いですね。

個人戦が強い理由は、「自己中であれ」という指導方針を掲げているからかもしれません。何が何でも自分のために勝利を勝ち取る、それを実現するための練習を多くしています。

ーその結果が全国大会初出場ということですね。では最後に、このチームに入った場合のメリットを教えてください。

柔道が好きであることは前提として、体を大きくしたい、強くなりたいと思う方は、うちに来れば大きく成長できます。高校3年生までには、希望する階級に届くと思います。初心者の方もぜひ。お待ちしています!

ー心身を鍛錬しながら、無理のない範囲で希望の階級に合う調整ができる。太成学院大学高等学校柔道部なら「本当にやりたかった柔道」に出合えそうですね。貴重なお話をありがとうございました!


太成学院大学高等学校柔道部 チームが気になったら…
太成学院大学高等学校柔道部
チーム詳細をみる▶︎