創部77年の名門・青山学院大学空手道部がつなぐ仲間の絆「スタートは違っても、ゴールは同じ」

2024.03.09 / 宮川昇

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青山学院大学体育会空手道部

師範（右）：

小林邦雄（こばやし・くにお）さん

公益社団法人日本空手協会総本部師範。全日本選手権で形優勝2回、組手優勝3回、総合優勝1回など、主要大会での実績多数。

監督（左）：

根本武千代（ねもと・たけちよ）さん

青山学院大学空手道部を1997年に卒業。同部のコーチを経て監督に就任。千葉県やオーストラリア等で空手の指導を行っている。

ひと目でわかる！　空手道部の特色

未経験者OK
「礼儀や礼節」を学べる
一生の仲間ができる

2024年で創部77年目を迎える青山学院大学体育会空手道部。かつて俳優の渡哲也さんが在籍していたことでも知られる、歴史と伝統のある部活です。今回は、現役生の指導にあたる根本武千代監督（平成9年卒/画像左）、そして小林邦雄師範（日本空手協会総本部指導員/画像右）に、部の雰囲気や指導方針、入部を考えている学生へのメッセージなどを伺いました。

「一生懸命やり続けた先には、必ず良いことが待っている」

ーまずは青山学院大学体育会空手道部について、教えていただけますでしょうか？

根本監督　1947年に創部し、今年（2024年）で77周年を迎えます。2023年度は13名の部員が所属し、団体戦で全国大会出場を果たしました。また4年に一度、オーストラリアの同じ流派の団体（TSKF）との合同稽古、交流大会を実施するなど、学外以外での活動も積極的に行っています。今日の稽古にも、オーストラリアから来日した選手が参加していますよ。

ー日頃から指導をされているなかで、部や学生の雰囲気をどのように感じていますか？

根本監督　みんな元気が良く、真面目で一生懸命ですね。スポーツ推薦と一般（未経験）どちらも募集をしているので、選手によって競技レベルは異なりますが、一生懸命やり続けた先に必ず良いことが待っているということは変わりません。

ー未経験の一般生も募集しているのですね。

根本監督　はい、常に募集しています。「空手をやってみたい」という人がいれば、どんどん入ってほしいです。もちろん基礎から指導しますし、まずは黒帯（初段）取得を目指してもらいたいなと思っています。

小林師範　競技の部分でスタートラインが違うだけで、同じゴールに向かって仲間と一緒に頑張る4年間で得られるものは多いと思います。

ースポーツ推薦の学生には、どのようなことを期待していますか？

根本監督　競技経験のある選手には、即戦力としてあらゆる大会で結果を残すことを目標にしてほしいです。毎年夏にスポーツ推薦を希望される方のために説明会を開催しており、スポーツ推薦に向けてしっかりとサポートを行っています。青学空手道部に興味があればいつでも稽古を見に来ていただきたいですね。

変化する時代のなかで「伝統」を受け継いでいく

ーお二人が指導のなかで大切にしていることを教えてください。

根本監督　指導する側と指導される側が同じ方向を向いて取り組めるように心がけています。私自身も青学空手道部の卒業生として、時代が変化しているなかでも、伝統である「礼儀や礼節」は大切に守っていきたいと思っています。

小林師範　人生における一つの経験として空手道を選んでもらったからには、もちろん競技の上達も大切ですが、武道としての正しい道を進んでもらえるように指導しています。空手の技術は進化していて、今ではオリンピック種目にもなりました。それでも日本人の魂、武道の精神は変わっていないと思っています。

ー取材に伺った本日は4年生にとって最後の稽古ということで、卒業生の皆さんも多くいらっしゃっていますね。卒業後も繋がりがあるというのも、部に所属して活動する魅力なのではないでしょうか？

根本監督　若い卒業生にも稽古に来てもらって、現役の子たちを育ててほしいなと思っています。とある代の学生は、稽古が終わってからも私に一緒についてきて、最終的には私の家に住んでいたこともありました。もう家族のような感覚ですね。それぞれの代の学生との思い出はたくさんあります。

ーありがとうございます。それでは最後に、青山学院大学空手道部ではどのようなことが学べるか、入部を考えている学生の方へメッセージをお願いします。

小林師範　4年間の学生生活で「本当に頑張った！」という自信を持って卒業してもらいたいと思います。そして、卒業してからもずっと空手に携わってもらえたら嬉しいですね。

根本監督　私自身も歴代の師範から「生涯空手」つまり「続けることの大切さ」を教わってきました。学生にとっては毎日授業があるなかで、部活に取り組むことは大変だと思います。それでも終わってみれば「続けていて良かったな」と、みんな口をそろえて言います。そこはブレずに伝えていきたいですね。

ー日々学生と接しているお二人の話をお聞きして、競技力だけでなく、その後の人生にも繋がる人間力も大切にしていることを強く感じました。4年間というあっという間の大学生活の中でひとつのことに打ち込み、人として成長するにはもってこいの環境ではないでしょうか。根本監督、小林師範、貴重なお話をありがとうございました。