ShibaTaku
代表:
柴田 直人(しばた なおと)さん
広島県福山市出身。父親がクラブチームを運営していたことをきっかけに、5歳から卓球を始める。中学校3年生で愛工大名電中学に転校し、愛工大名電高校、愛知工業大学と名門校でプレー。卒業後は実業団・フジに進み、引退後の2021年2月にShibataT.Tスタジオをオープン。
ひと目でわかる! チームの特色
- 小学2年生から80代までが通う
- 強制ではなく提案型の指導
- コーチは元実業団選手の夫婦
愛媛県松山市にあるShibataT.Tスタジオは、“指導者として愛媛県卓球界を盛り上げていく”ことを重視して運営しています。
そのコンセプトには、愛工大名電中高や愛知工業大学など、学生卓球のエリート街道を歩んできた柴田直人(しばた・なおと)さんが、最後にプレーヤーとして戦った愛媛県卓球界に対する強い思いが込められています。
今回は柴田直人さん、夕華さん夫妻に、卓球経歴、ShibataT.Tスタジオ開業のきっかけ、運営するチームShibaTakuについて、今後の展望など様々なお話を伺いました。
大学の1学年後輩にリオ銀・吉村真晴 トップ選手から学び成長
ー高校は名門・愛工大名電高校出身ですが、思い出はありますか?
柴田直人さん:監督の今枝一郎先生から多くのことを教わり、人間として成長できたと感じています。
それまでは「誰かのために何かをする」という考えがあまりなかったのですが、少しずつ考えが変わっていきました。
ー今枝先生は心に響く言葉をかけてくれる印象があります。
柴田直人さん:今でも覚えているのは、「苦しいのはお前1人じゃない。苦しいときこそ前を向いてやらなければいけない」という言葉です。
仕事をしている今でもその言葉を思い出し、励まされることが多いです。
ー愛知工業大学ではいかがでしたか?
柴田直人さん:大学では、1学年下に野田学園高校から後にリオ五輪で銀メダルを獲った吉村真晴選手、もう1学年下に青森山田高校から吉田雅己選手が加わりました。
トップ選手と一緒に練習できたことで、自分の卓球の幅が広がったと思います。上級生にも素晴らしい選手が多く、先輩、後輩、同期からたくさんのことを学びました。
ー大学で学ばれたことが今、指導に活きている部分もあるのでしょうか?
柴田直人さん:もちろん、小さい頃に父から教わった基礎的な部分も活きていますが、大学で学んだ考え方や基礎は、今の指導に大いに活かされています。
画像提供:ShibataT.Tスタジオ
元実業団選手の夫婦で指導
ーどのような経緯で指導の道に進まれたのでしょうか?
柴田直人さん:大学卒業後は愛媛県の実業団・フジで卓球を続けていました。働きながら卓球をして3年が経ち、選手としては一区切りをつけました。
その後、地元の福山市に帰ろうと思い、愛媛で卓球を教えながら公務員試験の勉強をしていたのですが、気づけば指導の道に進んでいました(笑)。
ー大好きな卓球からは離れられなかったわけですね(笑)。選手引退後、すぐに卓球場を開かれたのでしょうか?
柴田直人さん:3年くらいはコーチとして、いろいろな卓球場で指導させていただいていました。
そうするうちに、自分のクラブチームや卓球場が欲しいなという思いが強くなっていきました。
ーちょうどコロナ禍に卓球場を開業されていますが、苦労はありませんでしたか?
柴田直人さん:ありがたいことに、全部運良くすんなりと進みました。コロナ禍ということもあり、テナントがたくさん空いていたのです。場所もすぐ決まり、コーチ業でのお客さんとの繋がりもあり、集客も順調に進みました。
また、地元の方々が卓球場に多く通ってくれたおかげで、問題なくスタートできました。
もちろん妻の支えも大きかったです。
画像提供:ShibataT.Tスタジオ
ー奥さまは、どのようなきっかけでコーチになられたのですか?
柴田夕華さん:実業団の愛媛銀行卓球部を辞めた後は、地元の兵庫県に戻って卓球を教えるつもりでした。
ところが、当時付き合っていた主人との結婚が決まったので、ShibataT.Tスタジオで夫婦そろってコーチをすることになりました。
ーコロナ禍での開業でしたが、特に不安はなかったのでしょうか?
柴田夕華さん:私は元々楽観的なので、できるだろうと考えていました(笑)。
もちろんコロナ禍でリスクもあったのですが、夫と一緒に頑張ろうと決めていました。
ーコーチ業のどういうところにやりがいを感じていますか?
柴田夕華さん:初心者から試合に出るまでの小学生を指導しているのですが、最初は全くできなかったことが、できるようになると成長を実感できて嬉しいです。
また、静かだった子が自分から話すようになったり、挨拶ができるようになったりするなど、人間的な成長も見守ることができるのがやりがいですね。
指導方針は「自分が成長する道を選択するように」
ーShibataT.Tスタジオのレッスンの特徴を教えてください。
柴田直人さん:基本的には自由ですが、やるときはしっかり集中して取り組むことを大切にしています。
楽しんで卓球をしている子もいれば、試合で勝ちたいと思って一生懸命練習している子もいるので、クラス分けをして選手一人ひとりに合わせた指導を心掛けています。
ーどういう年齢層の生徒がいますか?
柴田直人さん:ジュニアは、小学校2年生から高校3年生までが在籍しています。
また、大人の方も多く、社会人の方や80歳近い方もいらっしゃったりします。
ー指導する際に大切にしていることはありますか?
柴田直人さん:選手には「自分が成長する道を選択するように」と伝えて、進歩しているのか、成長できているのかを常に考えさせることを意識しています。
私は「こうしなさい」と強制することが得意ではないので、選手に選択肢を提案して考えさせながら進めるようにしています。
選手時代の後悔を胸に 指導者として「愛媛の卓球を盛り上げたい」
画像提供:ShibataT.Tスタジオ
ー卓球場を開業してから、一番嬉しかったことや印象深かったことはありますか?
柴田直人さん:ShibaTakuというチーム名で試合に出場しているのですが、2年目の夏に小学生チームが全国ホープスの団体戦に出場できたことが一番嬉しかったですね。
卓球を始めて2年程度の子どもたちで挑んだのですが、全国大会に見事出場できました。
ー今後のチームの展望を教えてください。
柴田直人さん:チームとしてはまだまだ強豪と呼ばれるチームではないので、全国大会に出られるような選手を育てないといけないと思っています。
まずは自分のところのチームの選手を強くしたいですね。
ゆくゆくは愛媛県卓球界に貢献できるようなチームになっていきたいと考えています。
ー愛媛県卓球界についても考えているのですね。
柴田直人さん:愛媛県は小学生の卓球人口が少ないので、もっともっと増やしていきたいんです。
そのために、定期的に松山市内の公共スポーツ施設でキッズ卓球教室も行い、参加者には卓球を続けてもらえるように市内の卓球場(6店舗)を紹介しています。気に入った卓球場で卓球を続けてくれていたらとても嬉しいです。
最終的には、「愛媛の卓球めちゃくちゃ盛り上がってるね」と思われるようにするのが1つ、自分の中の軸としてありますね。
ーなぜそこまで熱い思いがあるのですか?
柴田直人さん:僕自身も不思議に思っています(笑)。
愛媛県でプレーしたのはたった3年ですが、いろいろな方に協力してもらったり、助けてもらったり、 応援してもらったりして、温かい人が多いなという印象があります。
でも、選手としては恩返しができなかったという後悔があるので、今は指導者として愛媛県卓球界に貢献できたらという思いで日々取り組んでいます。
画像提供:ShibataT.Tスタジオ
選手として3年間プレーした愛媛県の卓球を盛り上げたいという思いで日々活動する柴田直人さん。コロナ禍に開いたShibataT.Tスタジオを拠点に活動するShibaTakuから全国で活躍する選手が生まれ、愛媛県卓球界が盛り上がっていく日が楽しみです。
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