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「少年野球の裾野を広げたい」天満ドリームスが地域で育む子どもの未来

天満ドリームス

代表:

石岡史裕(いしおか・ふみひろ)さん

息子が野球を始めるタイミングで、少年野球チーム「天満ドリームス」を設立。野球経験が豊富な監督やヘッドコーチ陣に技術指導を任せ、自身はメンタルトレーニングを担当。現在は広島市少年野球協議会の理事を務め、地域の少年野球振興に尽力している。

ひと目でわかる! チームの特色

  • 少年野球の裾野を広げるために初心者でも野球に馴染めるイベント主催
  • 野球技術だけでなくメンタルトレーニングも行う
  • 仲間を大切にする心を育てる

「野球がやりたいのに、チームがない」――そんな子どもたちの声に応えるために誕生したのが少年野球チーム「天満ドリームス」です。広島市という土地柄、野球ファンにとっては恵まれた環境のように思えますが、実際には少子化や競技の多様化で選手集めは容易ではありません。地域の少年野球を活性化しようと、地道な努力を続ける天満ドリームスの代表・石岡史裕さんに、チーム設立の経緯や指導のこだわりを伺いました。

天満地域に小学生の野球チームを作りたかった

ー天満ドリームスは発足して8期目なんですね。設立当時のお話を聞かせていただけますか?

地域に少年野球チームがなかったため、8年前に自分の息子が野球を始めるタイミングで天満ドリームスを設立しました。近所の公園でキャッチボールをしていた子どもたちを集めたのがスタートで、当時は野球するのも一苦労でした(笑)。

ー設立時のメンバーが、そのまま今も指導にあたっているのでしょうか?

私も含め、メインで指導にあたる監督やコーチは、設立当初から変わらず子どもたちと一緒に頑張っています。私自身は野球の経験がないので、技術面は経験のある指導者に一任。私はメンタルトレーニングを勉強し、緊張とうまく付き合う方法や仲間同士での支えあい方などを教えています。

ー若いチームでまだまだ成長過程だと思いますが、今後どのような目標を立てていますか?

チームとしての目標は、その年のメンバーによって変えています。今年は6年生が11人いるので、スタート時点で全国大会を目標にしました。その結果、キャッチボールクラシックでは全国大会への出場が決まりました。

野球人口の減少を食い止めるべく、裾野を広げる活動も

ー実際にご指導されている立場から見た、少年野球の現状について教えてください。

少子化の影響も無視できませんが、それ以上に、子どもたちがサッカーやバスケットボールなど、ほかのスポーツに流れているように感じます。特に広島の場合、サンフレッチェ(サッカー)は強くて勢いがありますし、ドラゴンフライズ(バスケットボール)も昨シーズン優勝したばかり。選択肢が増えているので、野球は選ばれにくくなっているように思います。

ー野球人口を増やすための工夫などはされているのでしょうか?

どこのチームも体験会を開くなどチームに加入してもらう努力はしていると思います。うちは年に一度、イベントっぽく楽しめる体験会を開催しています。多くの子がほぼ未経験なので、スタンプラリーをしたり参加賞を配ったり、まず野球の楽しさを知ってもらえるように工夫しています。私たちの活動で、野球人口の裾野を広げたいです。

ー野球離れの要因には保護者の負担も関連がありそうですが…

保護者の負担を軽くする努力はしています。昔からある風習の中には、今の時代にそぐわないものもあるので、できるだけ負担を軽減できるよう心がけています。ただ、保護者の方がチームに関わることで親子で「チーム愛」が育つ部分もあるんです。悪いことばかりではないので、そこはバランスを見ながら常に調整していますね。

ー地域外から通うこともできるのでしょうか?

天満地域の子どもが多いですが、地域外の子どもも通っていますよ。昔から、一度入ったら最後まで同じチームで続ける…という風習がありますが、選択肢は多くあって良いと思っています。入ってみたけど、監督やチームの雰囲気と合わないことも珍しくありません。そうなったときに、「我慢して続けるか」「野球をやめるか」の二択になるのだけは避けたいですね。地域外の子どもの受け皿にもなれたら嬉しいです。

「仲間を大切に、みんなで支えあう」を合言葉に成長を目指す

ー選手に指導するとき、どのようなことを心がけていますか?

まずは野球そのものよりも、教育的な指導をとても大切にしています。うちは「仲間を大切に、みんなでみんなを支えあう」というスローガンを柱にしているんです。仲間を思いやる気持ちはうちならではの特徴ではないかと思います。

ーその教えが活きたシーンはありますか?

子どもなので、一回言っても次の週にはすっかり忘れているんです(笑)。なので、毎週毎週繰り返して教えている最中です。その成果なのか、最近では良い声かけができるシーンが増えてきました。ただ、ボロボロにやられているときには、まだ難しいようです。そんなときこそ、仲間みんなで支えあう声かけができるようになるのが理想です。次のステップとして、その声かけが常にできるレベルまで引き上げたいですね。

ーチーム競技なので仲間との連携は大切になりますね。

内弁慶の選手が多いチームなので、普段は賑やかなんですがバッターボックスに立つとガチガチに緊張しちゃうことがしばしば…(笑)。そういうときこそ仲間の存在が力になると思うんです。うちは、チームみんなにお揃いのお守りを作って渡しています。試合のときは全員首から下げてユニフォームの下にお守りを忍ばせているんです。みんなの力が詰まったお守りが、バッターボックスに立つときの安心材料になっていれば良いですね。

野球が好きな子だけでなく、学校生活でヤンチャな子こそ入れる地域の受け皿になりたい。と話してくれた石岡さん。持て余しているエネルギーを発散するのに野球は適しているとも語ります。「地域で子どもを育てる」を体現しているような活動の幅の広さに、終始驚きの連続でした。天満地域の少年野球がますます盛り上がっていくのが楽しみになる取材でした。



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