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“趣味・卓球”の普通の社会人なのに…3年連続全国8強で日本リーグも参戦 クラブチームBUDDY

BUDDY

会長兼選手:

西田成利(にしだ・しげとし)さん

学生時代は上宮高等学校→同志社大学と関西の強豪校で活躍。大学でプレーした同年代の仲間とともに2019年にBUDDYを設立。現在はファイナンシャルプランナーの仕事をする傍ら、BUDDYの中心メンバーを担う。チームは全日本クラブ卓球選手権大会3大会連続ベスト8。

ひと目でわかる! チームの特色

  • 卓球を本業にしたメンバーがいないクラブチーム
  • 全国大会3年連続ベスト8の強豪チーム
  • 地域の一般プレーヤーも巻き込み地域に根付くクラブへ

2024年全日本クラブ卓球選手権大会の男子一般の部で3大会連続ベスト8入りを果たしたのが、2019年に設立された大阪/京都を中心に活動するクラブチーム・BUDDY(バディ)です。

会長の西田成利さん(上宮高等学校→同志社大学出身)を筆頭に、チームの中心メンバーにBUDDY設立のきっかけを伺うと、それぞれが内に秘めた想いを明かしてくれました。

前列左が西田成利さん。写真提供:BUDDY

チーム名「BUDDY」は、とある楽曲から

ーまず、BUDDYというチームができた経緯についてお伺いしたいです。

西田 大学を卒業して社会人になった時、僕と丸裕一郎(龍谷大平安高等学校→立命館大学出身)が大阪の南側に住んでいて、一緒に卓球する機会が多くありました。
その際、どこかのクラブチームに所属するよりも「自分らでチームを作って楽しみたいよね」という話をよくしていました。

ついにチームを作ろうとなり、「Freedom(自由)にできたら良い」というコンセプトのチームにしたいという気持ちを込めて、最初Freedomという名前で始めようとしていました。

写真提供:BUDDY


 
ーそれでXのIDに「freedom」が入っていたのですね。なぜ「freedom」が入っているのか気になっていました(笑)。

西田 当時、僕や丸、生野数貴(浜松南高等学校→同志社大学出身)らで「Freedom」という名前でオープン戦に出場していました。

ただ、元々兵庫にFreedomという名のクラブチームがあることがわかり、チーム名が被ってしまいました。

オープン戦後の飲み会で、「どうする?」という話になった時に、土井雄介(大阪桐蔭高等学校→大阪経済大学出身)が「平井大の曲に『Buddy』という曲がある」と教えてくれました。

「Buddy」は、友情や同志、仲間といった意味があって、自由な形のチームとしてより仲間意識をもってやっていきたいという今後のチーム方針にもぴったりで「BUDDY」という名前になったのが始まりです。

写真提供:BUDDY

居心地の良いチーム運営で規模が拡大

ー設立から数年が経ち、後輩が増えたり女子チームができたりとチームが拡大していますね。

西田 1年、2年と経過していくなかで、チームとして面白いと共感してくれる方が出てきました。丸と生野が中心となって後輩を連れてきてくれて、チームが拡大しました。
社会人でも卓球を楽しめる環境を作りたいという意図があったそうです。

写真提供:BUDDY


 
ー丸さんと生野さんはどういうお考えでBUDDYのチームを運営していますか?

生野 「みんなで集まれる場や時間を提供したい」「大学卒業しても卓球を続けたい」という気持ちから始めました。
チームを運営していくなか、「同じような思いでやっている人はいないのか」という話をよくしていました。

後輩を練習に呼んで、楽しく練習したり飲みに行ったりする中で、「一緒にBUDDYやっていかへんか?」と聞いた時に、「一緒にやりたい」と言うメンバーが出てきて規模が大きくなりました。

写真提供:BUDDY


 
ー今では京都にもチームがありますよね?

 京都でよく練習させてもらっている下間平裕さんに、「一緒にチーム立ち上げませんか?」とお話ししたところ快諾いただき、卓球場でコーチをしている増田隆介(滝川高等学校→関西大学出身)や、後輩の清水大輝(龍谷大平安高等学校→龍谷大学出身)に声をかけていきました。

無事、6人集まって「BUDDY KYOTO」として全日本クラブ卓球選手権や全日本社会人卓球選手権に出場できるようになりました。今は京都と大阪の2拠点に東京を加えた、3拠点で頑張っています!

写真提供:BUDDY

「卓球を通じて人生を豊かにしている」

ーチームの特徴や雰囲気もお伺いしたいです。

生野 大学時代、関西でやっていた選手ばかりなので、見たことがある、または知っているメンバーがほとんどで、雰囲気としては大学の延長線のような感じはあります。
以前は週1回練習していましたが、今は好きな時に集まって好きな時にやっています。

生野 後輩の今田裕樹選手(龍谷大平安高等学校→立命館大学出身)にも何か聞いてみてください!

ー後輩の立場から見てチームの雰囲気はどうですか?

今田 卓球好きな人が多い印象で、僕が入った時にはすでにチームができあがっていたので、僕はその船に乗っかっただけです(笑)。

本当にみんな楽しく明るく、ワイワイしていて、卓球を通じて人生を豊かにしているなという感じがしますね。

まさに、関西出身のチームの良さというのが出ていますね。

写真提供:BUDDY


 
西田 BUDDYに入る人は、卓球が好きな人が圧倒的に多いです。会ったときは仕事の話などにほぼならず、卓球の選手がどうこうとか、卓球のラバー・ラケットがどうこうとかそういう話のほうが多いです。
後輩が、人生を豊かにするところの視点を持ってくれているのは、とても嬉しいです。

80歳、90歳まで続けられるスポーツがどれだけあるかを考えた時に、卓球は年代別種目にハイエイティーがあるぐらい生涯スポーツに当たると思うので、卓球が好きであり続けることはとても大事なことだと思います。

“卓球を職にしないチーム”で3年連続全国ベスト8入り

ー初期メンバーの丸さんからもチームの特徴についてお伺いできればと思います。

 全日本クラブ卓球選手権で3年連続ベスト8に入ったのですが、メンバーの中で卓球を職にしている人はいません。

例えば西田はファイナンシャルプランナー、生野は公務員、今田は保険営業、西野伊織(育英高等学校→龍谷大学出身)は教員です。

卓球が仕事ではないので、隙間の時間で練習しなければなりません。

限られた時間の中で自分の実力をつけて、クラブ選手権で3年連続ベスト8に入れたのは、稀なチームなのではないかと思います。

写真提供:BUDDY


 
ー生野さんが思うチームの特徴はありますか?

生野 チームの層が厚いのが特徴です。僕はクラブ選手権に3回出場して、3回とも大体1試合ずつぐらいしか出ていません。

ベンチのメンバーが同じくらいの強さであることが、団体戦で勝てている要因だと思います。誰が出ても変わらないので、今年はじゃんけんで出るメンバーを決めていたこともあります(笑)。

全員が同じくらいの実力なので、試合に起用されやすく、試合に出ないということがないのも大きな特徴ですね。

写真提供:BUDDY

普通の社会人チームが日本卓球リーグに参戦

写真提供:BUDDY


 
ー2024年前期には実業団がしのぎを削る最高峰のリーグでもある日本卓球リーグにスポット参戦もされていました。出場の経緯、実際に出場された感想をお伺いしたいです。

生野 クラブ選手権でベスト8に入って権利があったので、日本リーグに人生で1度は出てみたいというのは、みんな同じ気持ちだったと思います。

ただ、参加するうえで厳しかったのは2つあって、1つは高い参加料です。そこは応援してくださっている方々にお願いに回ってかき集めたり、自分の実家がある浜松開催だったので実家に泊まることで宿泊費を節約したりして工面しました。

もう1つが水曜日から始まる日程です。

ー平日の週の真ん中ですよね。

生野 全員が普通の社会人なので、日程が合わず人数を揃えるのが一番大変でした。最終的にほぼBチームというか、クラブ選手権の時よりもレベルの高い大会なのにメンバーが弱くなりました(笑)。

当時レギュラーだったのが、西野、今田、西田、丸、生野でしたが、ほとんど出場できず、西田も大会途中で怪我をしたので、当日は西本晃樹(金光大阪高等学校→関西大学出身)、桐村陸人(滝川第二高等学校→立命館大学出身)、天神林朋(金光大阪高等学校→天理大学出身)、小橋健人(興国高等学校→天理大学出身)が出場していました。

写真提供:BUDDY


 
ー途中で怪我は悔しいですね。

西田 とても楽しみにしていて、普段は週1練習のところを週2、週3で練習して準備していました。

当日の試合は、相手の実力が上なので、すべて全力でやらないと試合が成り立たない状況でした。その結果、2日目の第3戦あたりから肉離れを起こして歩けなくなり、以降の試合すべて欠場になってしまいました。

生野 結局、水木金と仕事を3日間休んでくれたメンバーが7、8人いたので、西田が欠場しても出られる選手がいたのが救いでした。
社会人ながらも皆がチームのために貴重な時間を捧げてくれているなと感じましたね。

おかげさまで、日本リーグは本当にいい経験でした。前半戦をほとんど誰も1ゲームも取れずに折り返しまして、最終的には2部12位という結果、つまり最下位で終わってしまいましたが。

ー日本リーグの壁を感じましたか?

生野 卓球と仕事を本気で両立している人は、全然実力が違うというところを痛感しました。

印象的だったのは、サンケイというチームと最下位決定戦をしたときです。僕が緊張しすぎて、ダブルスでマッチポイントを握っていたときに普通のフォアハンドドライブでボールが滑り落ちて逆転されましたね(笑)。

写真提供:BUDDY

地域に根付いた活動で“仲間”を増やす

ーBUDDYと言えば、いつも大阪卓球倶楽部さんで卓球教室や「熱血草卓球会」というイベントを主催されていますね。

 まず大阪卓球倶楽部という卓球場がちょうど2年前にできました。オーナーの脇村利恵子さんが自分の母の1個上の先輩ということもあり、直接母親に卓球場のオープンセレモニーに来てほしいという連絡が来て、その時に母が僕と脇村さんを繋げてくれました。

「大阪卓球倶楽部を宣伝するのでBUDDYを応援してほしい」という提案をしたところ了承していただきました。クラブ卓球選手権に初めて出た時も、金銭面も含めてサポートしてくださったこともあり、ベスト8に入れました。

BUDDYとしては、大阪卓球倶楽部でイベントをして集客につなげることと、卓球場の広報活動を続けることで、支援のお礼をしているという関係性ですね。

写真提供:BUDDY


 
ー自分たちのチームだけではなく、地域の一般のプレーヤーも巻き込んだチーム活動につながっているところが素晴らしいです。

生野 地域を大切にして地域に根付いたクラブチームにしていきたいと思っています!

 「それこそ「熱血草卓球会」は実力問わず、年齢問わず、みんなで交流して卓球を楽しもうというイベントですので、この記事を見ていただいているみなさま、ぜひお越しください!

強くなるイベントというよりは、交流を深めて様々な卓球界隈の人たちと仲良くなって、結果としていろいろな出会いやつながりへと結びついていくと思うので、交流を深めたい方にはぜひ来ていただきたいです。

実力も問わないので、強い人と戦うなど楽しんで帰ってもらえたらなと思います!

ーいいですね!今後も関西の社会人卓球界を引っ張っていってください!

 
卓球メディアRallys
https://rallys.online/
 

インタビュー中にも和気あいあいとした雰囲気を感じられたBUDDY。自分たちが楽しめる環境作りから始まったチームは、“卓球を通じた人とのつながり”を大切にする想いを持っていました。生涯にわたる“BUDDY”を増やすなかで“人生を豊かにする”卓球の魅力が伝わるお話をありがとうございました。


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