今回登場いただくのは、中京大学水泳部に所属する女子部員の皆さんです。多数のオリンピアンを輩出する名門校として知られ、昨年は日本学生選手権水泳競技大会(インカレ)で優勝を果たしました。今年の目標はチーム史上初の2連覇です。偉業達成を目指し日々練習に励む彼女たちに、現在の思いを伺いました。
【左から:竹葉 智子(たけば・ともこ)松下 舜佳(まつした・しゅんか)吉田 杏子(よしだ・あんず)田山 茅咲(たやま・ちさき)】
女子スポーツ専門メディア「B&」とのコラボで特集企画がスタート!この特集企画では、女子スポーツチームを盛り上げるためにチームやクラブの熱い思いを取り上げていきます。
水泳の良いところは、勝敗がわかりやすいところ
ー水泳を始めたきっかけを教えてください。
田山:幼い頃から水が苦手な子供だったんですが、小学校ではプールの授業があると分かっていたので、入学前に水嫌いを克服すべく水泳を習い始めました。兄や幼稚園の友達と一緒だったこともあり、水泳はすごく楽しかったです。水への恐怖心もすぐになくなりましたね。
吉田:幼稚園の友達の影響で、習い始めました。その友達は先に辞めてしまいましたが、私は水泳を好きになって今でも続けています。
ー周りの人の影響で始めることも多いですよね。水泳の好きなところはどういうところですか?
竹葉:水泳は勝敗が分かりやすいところが良いですね。誰が見てもタイムの良し悪しを判断できますし、競技としてシンプルなところが好きです。
松下:リレー種目は思い入れがあります。チームのために泳ぐことも、応援することも個人種目よりも熱が入るので楽しいですね。
吉田:ベスト記録を更新した時はやっぱり嬉しいです。自分が積み上げてきたことがタイムに現れると成長度合いを実感できて、やりがいを感じます。
ー逆に、水泳を通して苦しさを感じるのはどんなときですか?
田山:インカレは出場人数が限られているのでメンバー争いがすごく苦しいです。いつも励ましあっている仲間同士で争うのは心苦しく感じます。私は、出場する側と応援する側の両方を経験しましたが、どちらも複雑な気持ちです。でも、支えてくださった先輩方がいたので、チームのみんなのために頑張ろうと思えました。いずれは私もチームに良い影響を与えられるような選手になりたいです。
竹葉:競技面以外での話になりますが、10年間指導を受けていたコーチが辞めてしまった時に、今後誰に頼るべきか分からなくなってすごく苦しかったです。
でも夏の大事な大会が間近に迫っていたので、自分で練習メニューを組み別のチームの助けを借りて大会に臨みました。大学生になった今は、サポートのある環境で頑張れることに、感謝の気持ちでいっぱいです。
ーマネージャーとして選手が落ち込んでいる時に心がけていることはありますか?
松下:私自身は、常に笑顔を心がけています。笑顔でいる方が、選手も話しかけやすいかなと。選手にとって気軽に相談できる存在でありたいですね。
中京の水泳は楽しそうだったので、引退を撤回
ー中京大学への入学を決めたきっかけを教えてください。
吉田:実は私、水泳をやるのは高校までと決めていたんです。コーチには誘いがあっても断ってほしいと伝えていました。でもなぜか中京大のコーチとだけお話しする機会があって、体験入部が決まって(笑)。
その時に、先輩方が楽しい雰囲気で練習している姿を見て、純粋に良いなと感じました。当時は水泳を続けるか悩んだのですが、雰囲気も良くてレベルも高くて、ここでなら水泳を楽しく続けられそうだなと思って入学を決めました!
田山:私は、地元に残るか中京大に進学するかで迷ったんです。その事を正直に中京大のコーチに電話で話すと「明日会いにいくね」ってすぐに来てくださいました。
コーチと話したことで、自分が悩んでいた距離の問題がそこまで悩むことではないと思えて、勇気を出して県外に出ることを決断できました。
ー中京大学の水泳部に入部されていかがですか?
吉田:私たちの入学時はコロナ禍真っ只中、入部から3ヶ月の間は自宅待機でした。ちょうどその頃に怪我をしていたので、コロナ前に愛知県で手術を受ける予約を入れていたので、先に1年生で1人だけ入寮していました。
泳げない状況で怪我も抱え、周りには先輩だけ……。不安でいっぱいでしたが、4年生の先輩方がチームを盛り上げるために様々な企画を実施してくれたことが良い思い出です。Zoom越しにチームメイトとコミュニケーションを取れるように工夫してくれたり、朝にミーティングを設定して、規則正しい生活を送れるようにしてくれたり。先輩たちのおかげで、良い雰囲気でインカレに臨むことができました。
ーコロナ禍で大変な中、よりチームワークが強固になったんですね。良好なコミュニケーションをとるために、心がけていることはありますか?
竹葉:お互いのベストタイムを把握し合って、良いタイムが出た時は一緒に喜んで、悪かった時は励まし合っています。試合前にマネージャーが全員分の記録を送ってくれるので、出場選手のタイムの良し悪しがすぐに分かるんです。声を掛け合うことでコミュニケーションを取る機会が増えましたし、チームワークも良くなったと感じます。
吉田:今は3チームに分かれて練習をしているのですが、苦しい時には声を掛け合って連携するように心がけています。定期的に合同練習も行っているので、その影響もあってチーム全体の雰囲気は良好になっていると思います。
ー日頃の声掛けがチームワークの秘訣だったんですね。インカレで印象に残っている思い出はありますか?
吉田:前回のインカレで中京大が中間発表で総合トップになったとき、選手たちはその報せを聞いて喜んでいましたが、マネージャーから「まだ油断できないよ」と冷静な指摘があったんです。その一言で浮き足立っていた雰囲気が一変、最終日まで戦い抜くことができました。マネージャーの的確な一言がなければ、優勝できなかったかもしれません。今もその言葉は強く印象に残っています。
田山:私はレースに向かう時にチームメイトやコーチから声を掛けてもらう瞬間が、印象に残っています。大きな大会では心細さを感じることもありますが、声を掛けてもらうことで、全国優勝という目標のために一緒に戦っている感覚があって嬉しいです。
ー水泳は、個人競技ですが一緒に戦っている感覚になれることは心強いですね。試合前にチームで行っているルーティンはありますか?
吉田:インカレに向けて、選手個人の目標を叫ぶ時間があります。チームのみんなに向かってプールの端から端まで、大きな声で決意表明をすることで、試合まで士気を高めるんです。人数も多いのですごく盛り上がりますよ。
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今年の夏は、連覇へ挑戦
ー中京大水泳部で知ってほしいことはありますか?
松下:総勢100人ぐらい部員がいて賑やかです。練習している社会人選手の中にはオリンピック出場選手もいて、多くの事を学べます。他には、全国各地から部員が集まっているため同じ境遇の人も多く、寂しさを感じないところもいいところです!
ーチームの目標を教えてください。
吉田:総合優勝を目指しています。昨年も優勝しましたが、中京大学水泳部は歴史上まだ連覇を成し遂げたことがありません。昨年度の優勝校としてインカレに臨むのではなく、2連覇を達成するための挑戦者として臨みたいです。
そのためにはみんなが同じ方向を向くことが必要だと思うので、選手が目標に向かえるようチームで頑張っていきます!
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