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「サッカーを通して広がる未来」元ファジ・福森代表のAFFECTION Jr.にかける熱意

AFFECTION Jr.

代表:

福森慎太郎(ふくもり・しんたろう)さん

ファジアーノ岡山の2期生として、プロ化前のチームでプレー。幼少期から少年団や部活動でプレーし、大学では桐蔭横浜大学サッカー部の1期生として風間八宏さんから指導を受け、県選抜や県大学ベストイレブンに選出。大学卒業後、三菱自動車水島FCに選手として所属しながら、母校・作陽学園高等学校と岡山湯郷Belleでコーチを務める。ファジアーノでの選手時代を経て、R.K.クラシックで県リーグ優勝と県ベストイレブンを掴んだ。40歳でAFFECTION 40を立ち上げ、現在Jrチームやスクールなども運営中。岡山県マスターズ選抜監督。

ひと目でわかる! チームの特色

  • 自主性を伸ばすことを重視
  • 意欲や都合に合わせた柔軟な練習機会
  • 農業を通した食育や企業交流。充実のオフザピッチ

2024年春、岡山県南部を中心に活動するU-9のクラブチーム、AFFECTION Jr.(アフェクション ジュニア)が誕生しました。ピッチ内はもちろん、ピッチ外での活動にも力を入れており、子どもたちの自主性を伸ばすことを重視したスタイルをとっています。

今回は、代表である福森さんに、チームでの活動や子どもたちにかける思い、大切にしている考え方についてお聞きしました。

クラブの起源は自身のサッカー人生

写真右端が福森慎太郎さん


 
ー チームの対象年齢を教えてください。

主に小学校1〜3年生の9歳以下を対象としたチームです。今は11人が所属しています。入団している子の兄弟に限り、別枠で小学5年生の女の子や未就学児を受け入れています。

実は、このグラウンド(早島町若宮グラウンド)は僕がサッカーを始めた場所なんですよね。小学校3年生の時に少年団に入って、このグラウンドで始めたのが僕のサッカー人生の始まりなので、このチームはその部分とリンクさせています。

ー 入団に関する制限は年齢以外にありますか。

特にありません。人数が増えると制限していかなければ運営も難しくなってくるので、将来的にセレクションなどを実施する可能性はありますが、現段階では考えていません。

ー 早島町の子が多いのでしょうか。

実は早島町の子は1人もいなくて、岡山市と倉敷市のみです。早島町には僕も小学校の頃に所属していた少年団があり、そちらに入っている子がほとんどだと思います。僕たちのやり方で自然に広げていけたらと思います。

熱意や信念のあるところ、楽しいところに人は集まってきますし、遠距離でも魅力があれば人は寄ってくると思うので、地道に活動を続けていきたいです。現時点で未来がイメージできているので、着々と増えていくだろうと思っています。僕はイメージ通りに動くだけですね。

「行きたいときに行くことができる環境を」意欲や都合に合わせた柔軟な対応

ー チームの目標や雰囲気はどういったところに設定されていますか。

ミッションとしては大きく、日本一を掲げています。日本一強くて愛されるチーム、ひいてはそのような選手に、という形です。今はそれほど上手でなくても、ここに来て設定した目標をちゃんとクリアできるようにして、変わっていけるように練習を積み重ねています。勝つためにやっているという意識を、子どもたちがちゃんと持てるように取り組んでいます。

ー 練習日や練習時間を教えていただけますか。

基本的には毎週土曜日が練習、平均月2回程度で日曜日に試合をしています。また、僕が運営しているサッカースクールも通い放題なので、いつでもサッカーができる環境は整っています。

ー 手厚いですね。

当日参加も可能ですし、学業や習い事・家庭の事情など他の予定とうまく組み合わせられるように利用してほしいと思っています。結局、僕とどれだけ関われるかっていう部分が大切だと思うんですね。

自分一人でサッカーをやるのではなくて、直接関わっていくことでしか得られないものは必ずあると思います。僕と接点を持つことで、仲間や他の指導者へというように交流の輪が広がっていくんです。

ーちなみに、 試合はどのような形で実施されていますか。

まだリーグには所属していないので、現状は練習試合だけです。少年団などにお願いして、平均月2回ペースで開催しています。既にチーム登録はしていて、来年あたりからリーグに入ることを考えています。

まずは自分で考える。子どもたちの自主性を伸ばすコツ

ー 子どもの自主性を伸ばすことを大切にしていると伺いました。例えば、どのような面で伸ばすための取り組みをされていますか。

ピッチ内外にかかわらず、まず自分で考えるように促しています。何か聞いてきてもすぐに答えを与えるのではなく、一旦聞き返して自分で考えさせています。

例えば、1年生のような小さい選手が、年上の選手に勝つにはどうすればよいのかを考えてもらうことも多いです。体格の差はもちろんレベルにも差があるので、負けること自体に問題はないですが、年代が違うからといって負けたら「仕方ないね」で終わらせることはしません。勝てるように考えてもらうことを大切にしています。

ー 子どもたちと接する上で、気を付けていることがあれば教えてください。

子どもとしてではなく、1人の人間として接することを心掛けています。上下関係をなくして対等にするという意味ではなく、間違っていれば間違っていると伝えます。「子どもだから」という感覚には持っていきたくないと思っているんです。

呼び方もコーチではなく、名前にさん付けで呼ぶようにさせています。どの年代になっても同じ目線で接していけるようにという狙いです。

ー 子どもたちへの指導から感じるものや得られたことはありますか。

子どもたちと接していく中で学ぶことはたくさんありますね。僕も、生きている年数が長いからといって全てが正しいわけではなくて、完璧ではないから学ばなきゃいけない。僕を含めた指導者も子どもたちから学んでいるし、逆もまた然りなんですよね。

また、今の子どもたちに合わせることも必要ですが、僕たちの世代ならではの厳しさも忘れずに伝えていかなければならないと感じています。子どもたちには、「人に矢印を向けるのではなくて、自分に矢印を向けなさい」とよく伝えています。自分が変わらなければ現状維持のままですから、自分もチームも強くならないんですよね。

サッカー以外の世界を広げる活動とは

写真提供 :AFFECTION Jr.


 
ー AFFECTION Jr.でプレーするメリットについてはどうお考えですか。

サッカーに限らずですが、誰とするか、誰に学ぶか、誰と出会うかによって、一人一人のサッカーは全く違ったものになります。なので、他のチームと違う点は「人」の部分で、僕や今教えているコーチたちと出会うこと自体がメリットだと思うんです。

加えて、サッカー以外のことにも取り組んでいるのが大きな利点だと思います。農業を介した食育やスポンサー企業さんとの交流など、直接サッカーに関わらずとも、どこかでサッカーに通じることを意識して実施しています。

例えば、岡山市中区にある源照寺さんにご協力いただいて、サッカーとそれ以外の活動を合わせて行う企画をしています。自分たちで野菜を育てて、畑のお世話とサッカーの練習をセットにしたものや、お寺の中で黙想や勉強をした後、庭でサッカーをする寺子屋サッカーなどを開催しました。

その他、ワークショップやスイカ割りなどのアクティビティを組み込んだりと、自分で考える力を伸ばすこと、楽しめることにも力を入れています。

ー 企業訪問はスポンサー企業さんに訪れるような形ですか。

そうですね。コラボレーションピッチと名付けているのですが、企業さんとパートナーを組んで、企業訪問や交流の場を設けることも進めています。

もちろんずっとサッカーを続けてほしいという思いはあります。ですが、サッカーだけを一生懸命やっていた子が、怪我してプレーができなくなったり、何らかの事情があってサッカーをやめてしまったりと、サッカーを続けられなくなることが出てくるかもしれません。そうなった時に「あれ、ぼくわたし、何もないや」とならないようにしたいと考えています。

近年、プロ選手のセカンドキャリアの話を聞くことも多いと思いますが、いざそうなった時に何も知らないのではなく、他のチャンスもあるんだということをサッカーを通じて知ってもらいたいです。他のチームではあまり見られない活動だと思うので、子どもたちにも保護者のみなさんにもよい影響を与えているのかなと思います。

ー 農業や掃除などサッカー以外の活動も、みんな楽しく取り組んでいる印象です。子どもたちは自主的に参加していますか?

自主的に楽しく参加してくれている子が多いとは思いますが、子どもたちによって違うので、面白くないと思いながらやっている子もいるかもしれません(笑)。

農業に関しては、生きていくために必要なことですし、企業との交流があることも人生のどこかのタイミングで活きてくると思うんです。

「そういえば、昔あそこに行ったことがあるな」「あの企業の人すごくよかったな」。そのように思い返す可能性があることは、企業さんからしても子どもたちからしてもメリットがあると思っています。実際、共感していただいた企業さんがスポンサーについてくださっているのが現状です。

いつかあの時の経験が役に立ったな、やっていて良かったなと思ってもらえると嬉しいなと思います。

写真提供 :AFFECTION Jr.


 
ー 最後に、AFFECTION Jr.に抱く未来について教えてください。

まずは人数やエリアなど、規模の拡大ですね。そのうえで、「サッカー上手じゃないんだけど」と思っている子でも、ここに来たら何かが変わるという風にしていきたいです。このチームだけではなく、シニアチームやスクールもあわせて、さまざまな人を救える場でありたいと思っています。

「大人になっても完ぺきではない」「子どもたちから学ぶことも多い」と語る福森さん。子どもを1人の人として接する様子や、学び続ける姿勢から、子どもたちの福森さんへの信頼も伺えました。サッカーとそれ以外の体験を通して、将来に役立つ経験を提供し、子どもたちの自主性や人間性を尊重するスタンスは、今後の子どもたちの成長に大きな影響を与えることでしょう。貴重なお話をありがとうございました。


AFFECTION Jr.
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